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VOL.31 『家内の役者たち・ふすま (1)』

J・H のささやき VOL.31 『家内の役者たち・ふすま (1)』
          
こんにちは、ジェームス・ホントです。
 
ふすまは、白川静の古語辞典『字通』(平凡社発行)を見ると、『衾、被』とあり、
『襖』の文字は見当たりません。
意味は、『寝具として用いる掛蒲団の類をいう』とあります。
男女が一緒に寝ることを『同衾』(どうきん)と言いますね。 

襖は、ずっと後世になって、使われるようになったようです。

現代の家屋から、障子はほとんど姿を消しましたが、襖は健在で和室の間仕切りや、
蒲団を収納する押入れには、必ず襖が使われています。
贅沢なものになると、植物や花の図が描かれていて、ひとつの風景になっています。

       『合理的な間仕切り』

地方の和風旅館に行くと、よく見かけますね。
ふすまによって区切られていたいくつもの個室が、団体客が来るというんで、間仕
切りになっているふすまを全部取り払ってしまいます。
すると、大勢の客が対面できる大きな空間が出現します。
取り外し自由のふすまは、その意味ではとても便利で、合理的です。
 
モノの本を読むと、ふすまのような間仕切りの建具は、昔は、衝立、板戸などとと
もに、『障子』と呼ばれていたようです。
 
昔の中国では、垣根、衝立、屏風、幕など、家の内外を問わず、光や風や人の目を
さえぎるために設けられたものはすべて『障(さえぎるもの)』と呼び、そのうち
衝立、屏風などの小ぶりで移動可能なものを『障子』と呼んだようです。

さて、そうした障子が、ふすまになり、豪華な絵が描かれたりして、室内装飾の重
要な部分をどのようにして担うようになったのか、実は、わからないことが多いの
です。

       『眠るお宝』
 
日本史の研究家が、今でも、たまに、貴重な資料を襖から発見することがあります。
破れた襖の補修に、不要になった紙をベタベタと貼ります。
で、その紙が幾重にもなって、ぶあつい襖になります。 
さびれた寺社や神社、あるいは地主、旧家、名主と言われる階級の家に多いのですが、
そうした襖の中から、ほんとに偶然に、ビックリするような文書が出てきたりします。
たとえば、借用書とか、手紙とか、訴状とか、庶民の生活が垣間見られる文書が発見
されます。
ベタベタと貼った紙が、ただの紙ではなかった!
ということが判明します。

こうした古文書は、社会史の研究にとって、とても貴重なものです。 
ですから、歴史は、書きかえられてゆくのです。

中には、貼られた紙を全部はがしたら、有名な絵師の絵とか、あるいは俳諧師の俳句
などが出てきたりもします。
読者の中にも、そんなお宝を知らずに『秘蔵』している方がおられるのでは?
古い家屋を解体する時はくれぐれもご注意あれ!
 
         《参考図書・法政大学出版局・ものと人間の文化史・『襖』》

次回は『ふすま(2)』です。乞うご期待!
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