建築・土木・設備製品・工法 総合カタログdbNET

〒101-0061 東京都千代田区三崎町3-2-10 寺西ビル4階

VOL.33 『家内の役者たち・カーテン』 

J・H のささやき VOL.33 『家内の役者たち・カーテン』                  
 
こんにちは、ジェームス・ホントです。

カーテン、鉄のカーテン、菊のカーテン……
 
カーテンがなかったら、いったいどうなるんでしょうか?
家の中が外から丸見え? 
それはイヤですね。防犯上、好ましくもない。
泥棒が室内をのぞきこんで、『ラッキー、誰もいない、留守だ』なんてイヤですよ
ね。
普通は、夏用のレースのカーテンと秋冬用の厚手のそれが、どこの家でもかかって
いますね。
遮光、遮熱、保熱、保温、防寒、さらに室内の美観向上と目的は色々です。
 
カーテンは明治以降に日本に入ってきましたが、カーテン(Curtain)を外
来語辞典で調べると、以下のようにあります。
とばり、窓掛け、幕。
さらに惟幕、惟帳、窓布、帳布と様々です。
劇場や映画館のは、緞帳(どんちょう)と言いますね。
あれは、上から巻き上げるものですね。
  
欧米から渡来した言葉なので、訳者は苦労したと思います。
現在はすっかり日本語になっているので、カーテンで通りますね。
テレビ、ラジオと同じです。

ヨーロッパでは、カーテン(現代のように窓専用ではなく、もっと汎用性が高い)
はかなり古くから使用されています。
その前に、向こうでは、布地がどのように使われていたのか、それを知る必要があ
ります。今のような壁紙がない時代、裸の壁を嫌ったヨーロッパの貴族たちは、家
の中の壁をタペストリーで綺麗に被い尽くしました。
部屋を飾るために、色彩豊かな『布』がふんだんに用いられたわけです。
それらは総称としてタペストリーと呼ばれていました。

タペストリー(たとえば、紳士服の店に行くと、大きな垂れ幕が下がっていたりし
ますね。
そこにはスーツ姿のモデルが写し出されています。あれです)には風景画や動物、
植物が描かれています。
あるいは神話や伝説がモチーフとなっていました。
タペストリーは、言わば、日本の、襖絵のような役割を果たしていたわけです。

貴族たちは、そうしたものをながめて、目の保養、見ることの快楽を追求していま
した。もちろん、暖房の発達していない時代、厚手の布地で部屋をくるむことは、
防寒の機能も果たしていたことは想像に難くありません。
 
 
タペストリーで室内を快楽空間にする趣味は、19世紀の末まで続きました。
ヨーロッパと一口に言っても広いのですが、そうした傾向は特にフランスに強かっ
たようです。
さすが美術の王国ですね。
 
やがて、壁紙が登場してきて、また家具類が一層装飾化していくことも重なって、
豪華絢爛たる布地は室内から次第に消えて行きます。
 
一方、布地がどんどん安価になるに従って、庶民階級に、現在のような窓掛けとし
てのカーテンが浸透して行きます。
それにともなって、タペストリーの一部、という位置付けになり、『窓に掛ける布
地』という限定的な意味合いを増したようです。
  
そして我が日本にも明治時代に到来して、現在はカーテンのかかっていない家屋は
ほとんど見ない、という状態にまでなりました。

先日、テレビで知ったのですが、あるメーカーは3千とも5千とも言われる種類の
カーテンを取り揃えている由、驚きました。
確かに、カーテンひとつで、室内空間は一気に雰囲気が変わります。
かつて、経済的に余裕のある家では、春夏秋冬に応じて、床の間の掛け軸を換えて
いましたが、カーテンをマメに換えたら、違う雰囲気が醸成されて、気分が変わっ
てくるかも知れません。
壁紙を換えるのは容易ではありませんが、カーテンなら、簡単です。
読者諸氏も、気分転換に、カーテンを換えてみてはいかがでしょうか?

それにくるまっているマリリン・モンローを夢想するのも悪くない!  
えっ、カーテンが邪魔だ?
ご自分の手でどうぞ。

カーテンで推奨品がお有りでしたらご連絡ください。本メルマガでご紹介致します。
 
次回は『柱』です。乞う、ご期待。